永遠の仔

yucchitamala6182008-02-18

全部読み終わった…
高校生のときにお父さんが買ってきて、
上巻だけ読んで長過ぎて途中で読むの辞めちゃったから
正確には1.5回目ってことかな
読んだらハマった…
1週間で文庫本5冊読んだのは久しぶり。
第3次読書ブーム。
高3の9月くらいから受験期真っ最中までかなり
たくさん本を読みあさってたけどそれ以来。
今週テストって時に重松清にハマりすぎて2日で1冊ペースで読みまくってた
小説は映像より細かく登場人物の心理がわかるからおもしろい。
特にサスペンスやミステリーを好む私にとって
殺された人物の事もわかると面白さが増すのです。
永遠の仔」は何度も止み直したい小説の一つ。
あと好きなのは田口ランディの「アンテナ」、岩井俊二の「ウォーレスの人魚」、重松清の「エイジ」
吉本ばななの「キッチン」「哀しい予感」とか。
宮部みゆきの「理由」も忘れちゃいけない
読み直すって言っても「永遠の仔」は長過ぎて時間がある時じゃないと無理だけど。
全部読んだあとにドラマの方も一気に見た。
配役が合いすぎ。
このキャスティング考えた人が神です。
そして坂本龍一と半野嘉広の最強サントラ。
最初は渡部篤郎がジラフで、椎名桔平がモウルかと思ったけど、
反対で正解だった。
あと有希役が中谷美紀以外は出来ないと思う。
石田ゆり子奈緒子ははまりすぎです。
全員演技派だからこの重い話が持つ。
子役もかなり頑張ってた。
有希役の子は髪の毛切って欲しかったけど。
モウル役の勝地涼はほんとに渡部篤郎に似てる。
小説をちゃんと映像化でてきていてすごいと思った。
台詞は多少削られているけど、上手い削り方だと思った。
もうちょっと第八病棟の他の子供たちの描写もドラマに入れてほしかったけど。
小説の中で、有希と同じ病室にいる自殺願望のある女の子の台詞が
出て来るたびに心に響いた。
渡部篤郎中谷美紀といえば「ケイゾク」コンビなのに、
ツーショットでも全然思い出させないくらい
有希と笙一郎になってた。
小説の中では時々幻想的な表現を使ってる。
有希の母親が死んで有希が子供に還ってモウルに電話するまでが、
ドラマだと大雨の中でうずくまってるように描かれているだけだけど
小説では大雨ではなくて、有希の幻想が描かれていて
その描写がとてもきれいな表現で、
想像しやすくて作家のすごさを知った。
長い物語の中でそれはたくさんあった。
天童荒太の言葉はとても想像しやすい。
淡々と三人称で語られているのに、自然と涙が出るくらい感動させたり、
心臓が苦しくなる程つらい表現がたくさんあった。
人間は支えがないと生きられない生き物なんだなぁ
作者があとがきで「仔」にした意味を語っていたけど、
それも納得いった。
あんなに長いあとがきもあんまないと思うけど。
永遠の仔」は児童虐待がテーマだけど、同時に高齢化社会への問題も投げかけていて、
人間は永遠に子どもなのだという作者の思いが伝わってくる。

永遠の仔 DVD-BOX

永遠の仔 DVD-BOX