落下の王国


監督・製作・脚本 : ターセム
出演 : リー・ペイス 、 カティンカ・アンタルー 、 ジャスティン・ワデル 、 ダニエル・カルタジローン 、 レオ・ビル
コスチュームデザイン:石岡瑛子

映画のスタントマンをしていたロイは、撮影中に大怪我を負い半身不随となる。挙げ句の果てに主演俳優に恋人を奪われ、自暴自棄になっていた。
そんなとき入院中の病室に現れたのは、オレンジの収穫中に木から落ちて腕を骨折した少女アレクサンドリアだった。
ロイは、動けない自分に代わって自殺するための薬を少女に盗ませようと思い付き、アレクサンドリアに作り話を聞かせ始める。
それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に落ちていた6人の勇者達が、力を合わせ悪に立ち向かう【愛と復讐の物語】。
しかし、少女を操るためのたわいない寓話は、いつしか少女に希望を与え、やがて自分自身をも救う壮大な物語へと広がっていく…。
Wikipediaより)

ターセムは私の好きな要素をどんどん盛り込んでくる。
それは「ザ・セル」でも言えた事だけど、さらにって感じです。
物語自体はとてもファンタジー
私の大好きな「オズ(Returnto OZ)」に通ずるものがありました。
現実と虚像がどこかでリンクしてる。
とにかく映像美。
CGではない説得力があります。
ロケーションがすごい。
オープニングが好きだった。スローモーションがきれい。
水のシーンがけっこうあるんだけど、ターセムにとっても水は神聖な意味があるのかな。
ザ・セルでもラストは水で、落下の王国も、決闘は水。
ゾウが海で泳いでいるシーンがすごい。
ゾウの足下に魚が泳いでいる画なんてめったにみれるもんじゃないでしょ。
世界遺産は本当に絵に描いたような美しさで迫力があった。
観てて心臓がドキドキしてるのがわかるくらい。
ストーリー自体はそんなにこだわったもんじゃない(失礼)なのに、
こんだけ人を緊張させる事もできるんだね。
霊者のケチャのシーンが一番好きだった。
万里の長城や、エッフェル塔自由の女神が本当にサブリミナルくらいに一瞬だけ出て来るだけ
なのにそこまで行ってロケしてたっていうのがすごい。
自費でやってるだけある。
どこの世界遺産かわかんないけど、階段がたくさんあるシーンで、
本当にエッシャーの絵みたいになってた。
でもそこから黒い兵士がたくさん出てきてハッとした。
6人の勇者のなかで一番好きなのは、イギリスのチャールズ・ダーウィン
猿のウォレスっていう相棒をいつも連れていて、最期もすごく良かった。
ダーウィンの相棒がウォレスって言う時点でピーンときて、
岩井俊二の「ウォーレスの人魚」を思い出しました。
「進化論は本当は君が説いたものなのに…」
みたいな台詞もあったし。
ウォーレスはダーウィンの相棒で、本当は進化論はウォーレスが提唱したんじゃないかって言われているんだけど、
ウォーレスが人魚のことを研究していたので、
(人魚は架空の生き物なので)科学界から追放されてしまった人物です。
「ウォーレスの人魚」はこれが実は真実っていう小説です。
この小説も大好きで何度も読んでいるから繋がってうれしかった。
こんなことからターセムのツボが私に合いすぎて好きなんです。
今回はコマ撮りアニメーションのシーンもありました。
そして衣装。
石岡瑛子すごい。
結婚式のシーンはため息が出てしまう程きれい。
やっぱどこかで日本を感じます。
折り紙のような衣装が多い気がします。
主演の女の子5歳のルーマニア出身のカティンカ・アンタルーが本当にかわいい。
前歯が抜けていたり、片言の英語もかわいい。
いつもニコニコしていて、泣くときは本気で泣く。
彼女の可愛さも、この映画の大きな要素の一つだと思いました。
あと、ターセムのグロ残酷さも。
5人の勇者の死に方が。。。小さいときに観てたらトラウマになりそうな残酷さがあります。
映像の迫力はやっぱすごいけど、映画館で見るべき映画。
何度も見る感じではないです。
結論、私は「ザ・セル」の方が好きかな。

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ウォーレスの人魚 (角川文庫)

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