アヒルと鴨のコインロッカー


監督・脚本:中村義洋
出演:濱田岳瑛太関めぐみ田村圭生、松田龍平、大塚寧々、平田薫関暁夫ハローバイバイ
原作:伊坂幸太郎

神さま、この話だけは見ないでほしい。 時におかしくて、切ない物語が交差する。
 男は2丁の拳銃を取り出して言った。「モデルガン。椎名の分もある。一緒に本屋を襲わないか?」
 この春、仙台の大学に受かった椎名は東京の親元を離れ市内でアパート暮らしを始めた。
「引越しの挨拶だけはキチンとしなさい」と母親から口うるさく言われている。早速、左隣の部屋の学生らしき男に挨拶すると「はい・・・」と素っ気ない返事が返ってきた。部屋はまだ荷解きの途中であった。椎名は部屋の外で不用になったダンボールの箱を畳んでいた。つい無意識にボブ・ディランの曲を口ずさんだ。それは昔、中学のときに好きだった女の子に聞かせようと頑張って覚えた曲だった。
「ディラン?」背後で声がした。振り向くと痩せた若い男が微笑んでいた。
映画生活より)

友達が突然DVDを貸してくれたので予備知識なしで何も知らずに観てみた。
タイトルをみても「アヒルと鴨のコインロッカー」…?
でも何も知らずに観て良かった。
その方が楽しめる映画だと思います。
カットバック形式の話なので、少しでもネタバレしてると本当の意味で楽しめないと思った。
だから今から原作の方も読んでみたいと思ったけど、それは小説を楽しめなさそうなのでやめておこう。
でも小説おもしろそう…
カットバック形式の話は結構好き。ここでつながるのかーー!!
ってわかった時はかなりすっきりするし。
永遠の仔」とか「穴」とか。
河崎や麗子さんの話の映像が白黒なんだけど、
なんかあやしいとおもってたのよ。
主人公の一人暮らしを始める感じや大学の入学したての雰囲気や、
両親の電話や、学食に一人でいるアジアの留学生とか、
共感できるシーンがいっぱいあって、そこでなんかジーンときちゃうものもありました。
神様の声・ボブディランが主人公と河崎との出会いを運命的なものに感じさせます。
「アヒル」と「鴨」と「コインロッカー」の意味が最後の最後に全て繋がって、
なにかまたいい気分になりました。
最初はなんだかめちゃくちゃな話だなぁって思ったけど、
飽きる時間は少しもなくて笑えるに泣ける映画で、とても良かったです。