cure

cure

監督: 黒沢清
出演: 役所広司 萩原聖人 うじきつよし 中川安奈

日本のホラーは中田秀夫監督の「リング」とか清水崇監督の「呪怨」とかお化け・呪い系がヒットするけど、私はお化けは全く怖くありません。
むしろ、人間が怖いです。
その人間の恐ろしさを描いたのが、この「cure」という映画だと思う。
私の中ではホラー映画の代表は黒澤清監督の映画か、森田芳光監督の「黒い家」!!
とにかく「cure」は心をえぐられます。初めて見たときはさっぱりわけがわかりませんでしたが、心に重く残りました。
この映画にはお化けも呪いも出てきません。
ただただ、人間の恐怖が描かれています。
催眠暗示をテーマにして人間の本当の「癒し」とは何かを考えさせられます。
「癒し」=「cure」。
黒澤清監督は生涯の映画のテーマを「恐怖」にしていると読んだことがあります。
この映画も隅から隅まで「恐怖」そのものです。
まず、主演の萩原聖人の演技が超怖いです。
怖いって、どろどろした貞子とかじゃなくて、淡々と催眠術で人に暗示をかけて殺人をさせるのです。
それが催眠をかけられた人への「癒し」となるわけですが…
そして彼を追う刑事役の役所広司もだんだんと侵されていく恐怖の演技です。
黒澤清監督作品に役所さんは欠かせません。(「カリスマ」「ドッペルゲンガー」も主演。)
この話をますます混乱させているのその刑事の奥さんが精神病ってところです。
なんか、もう、究極の恐怖です。
ラストは全く想像がつきませんでした。
まさかあんなふうに終わるとはね…また恐怖…
ラストの意味もぜんぜん解らなくて何度も見直しましたが結局わからなくて原作の小説を読んでやっとすべて謎が解けました。
すごく怖い思いをしたい人は見るべきです。
しばらく頭がいっぱいになります。
BGMもまたかっこいいんです、これが。

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