抱きしめたい

「抱きしめたい」は2002年にNHKでやった特別ドラマで、
自閉症の弟を持つ姉と、その両親の家族の話。
原作は、島田律子の「私はもう逃げない」というノンフィクション。
ずっと観たかったんだけど、このドラマの存在を知ったのは2005年だったので
すでに放送が終わってた。
そもそもなんで観たかったかというと、
めったにというか、全くドラマに出ない加瀬亮が、
この自閉症の弟役で出演してるから。
加瀬亮のオフィシャルホームページにドラマの撮影のレポート
http://www.anore.co.jp/kase/genba/genba021.html
があって、それを見ると、障害者の方の施設に泊まり込んで、
役作りをしたという熱の入れようだったので、是非観たいと思っていたのです。
が、放送から3年もたって、DVD化もされないようなので川口のNHK資料館みたいなところに
本気で行って見ようと思ってたのですが、6月28日にBSHIで再放送がやって、
そしてなんとか録画したビデオを今回手に入れたのです。
で、今日観ました。
めちゃくちゃ泣きました。
もちろんこのドラマは感動をさそっていると思いますが、
民放の連続ドラマとはやはり違いました。
原作に忠実なのか、人物の設定がとてもしっかりしていて
自然と涙がでるような演出と脚本でした。
障害者の両親の話というのはよくあるドラマですが、
このドラマは自閉症の弟を持つ姉が主人公の話。
あらすじ→http://www.nhk.or.jp/drama/archives/dakishimetai/story.html
実際にこのドラマを見るまで、障害を持つ弟のことを話すのがそんなに怖いものなのか、
プロポーズまでして好きになった人を障害を持つ弟がいるだけで
結婚を諦めたりするのか、とか、この姉と婚約者両方の立場で考えてみたけど、
そんなに重要な事とは思えずにいました。
でもドラマを見て、障害者を家族に持つ事の大変さ、
そして障害者が家族になるかもしれないという事の重大さがわかりました。
両親はきっとこの自閉症の弟より先にいなくなるだろう。
そしたら弟の面倒を看るのは姉。
ドラマの公式ホームページの感想ページを見ると、
障害を持つ人の家族がいるたくさんの人たちが書き込みしていて、
それぞれの家族に苦労と感動があるんだなぁと思いました。
感想ページにも書いてあったけど、
このドラマの家族はとても絆が深い。
きっと障害を持つ子どもや兄妹がいる家族は、
普通の家庭よりも一緒に考えたり、苦労する事が多いから絆も深まるんだろうな。
自閉症という障害は、脳の障害で、心の病気とは違う。
社会の常識や暗黙のルールがどうしてもわからない、コミュニケーションがうまくとれない障害らしいです。
でもまわりの人たちがその障害をちゃんと理解して、
教育すれば、問題なく社会で暮らしていけるようです。
だしかに、ドラマの中でも几帳面で計画をしっかり立ててその通りに行動すれば
パニックも起こさず普通に生活できるように見えます。
でもほんのちょっとの計画との違いやトラブルでストレスがたまったり、
パニックを起こしてしまうようです。
初めて知ったのは「レインマン」を観てからかな。
ダスティン・ホフマン自閉症の役は、計算がものすごい早くて
カジノでもうけたりしてたけど。)
本当にまわりの人たちの理解が必要な障害だと思う。
だからより多くの人たちがこの障害を理解しないと自閉症の人たちはこの社会では自由に生きられないと思った。
見た目は普通だからこそわかりにくい障害だけど、
分け隔てなくというか、実際に障害を持つ人に合ったら理解を示してあげるべきです。
1000人に1人くらいの割合で自閉症の子どもはいるそうです。
実家の近所にも一人自閉症の男の子がいました。
でも小学生のときは見た目も普通で気付かなかったけど、
その子は私より5歳くらい年下で、その子が小学生になったとき、違う学校に通う事になってから自閉症だということを知った。
私が高校のときはよく学校帰りにすれちがっていつも何かつぶやいてたな。
でも一人でちゃんと学校に通っていたし、誰にも迷惑をかけてるようには見えなかった。
最近は自暴自棄になって他人を傷つけたり、殺したりする人がいるので、
そんな人たちの方がよっぽどコミュニケーション能力がないように見えます。
自閉症の人は社会の常識が理解できないというけれど、
普通の人たちの方がよっぽど人の心がわからないと思う。